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さくら日本切手カタログ、日本切手専門カタログ(いずれも日本郵趣協会)より

このページ : 西海 雲仙天草 阿蘇くじゅう 霧島屋久 西表

西海(さいかい) 国立公園

 昭和30年3月16日 指定  面積 24,636ha  長崎

1971(S46).6.26
P133,P134
五島若松瀬戸/九十九島

 長崎県の五島(ごとう)列島、平戸(ひらど)島、北松浦(きたまつうら)半島の西部海岸および九十九(くじゅうく)島を含む大小400余の島々からなる国立公園で、海洋美を誇ります。
 五島の若松瀬戸は14kmにわたって30の島々が複雑に入り組んで浮かんでおり、深い湾内を持つ玉之浦湾とともにリアス式海岸の特徴がよく現れています。五島列島は長崎県西部、東シナ海に浮かぶ島嶼(とうしょ)群です。北東から南西方向に並ぶ中通(なかどおり)島、若松(わかまつ)島、奈留(なる)島、久賀(ひさか)島、福江(ふくえ)島の五つの幹島と約200の属島からなります。古くは、平戸(ひらど)島とともに値嘉郷(ちかのさと)とよばれ、大陸にもっとも近いので、遣唐使の寄港や倭寇(わこう)の根拠地となりました。九十九島(くじゅうくしま)は長崎県北松浦(きたまつうら)半島の西岸のリアス式海岸に散在する大小200余の島嶼(とうしょ)群です。佐々浦(さざうら)を境にして、佐世保(させぼ)市の海岸部に分布する南九十九島と、平戸(ひらど)瀬戸に面する北九十九島に区分されます。島々は緑の照葉樹林に覆われ、黄色の海食棚をもち、海の青さに映えて絶妙の景色を展開しています。

植物:亜熱帯植物群落
動物:シカ、ウミスズメ、アオウミガメ、クジラ


雲仙天草(うんぜんあまくさ) 国立公園

 昭和9年3月16日 指定  面積 28,287ha  長崎、熊本、鹿児島
  (昭和31年7月20日 天草地域を区域拡張し、雲仙天草 国立公園と名称変更)

1963(S38).2.15
P99,P100
普賢岳の霧氷/千巌山からの雲仙

 九州中西部、長崎県の雲仙と熊本県の天草諸島(長島およびその属島は鹿児島県)の2地域にわたる国立公園です。雲仙地域は、1934年(昭和9)指定されたわが国最初の国立公園の一つで、島原半島中央部の雲仙温泉を中心として、それを取り巻く雲仙火山群の山岳美を観光の対象としています。1956年(昭和31)編入された天草地域は、海洋と島嶼の公園です。観光の中心は、66年開通し67年公園地区に編入された天草五橋沿線で、天草の島々を結ぶ近代的橋梁と島嶼美は、天草パールライン(国道266号)とよばれる観光ルートを形成しています。
 雲仙岳(うんぜんだけ)は長崎県島原(しまばら)半島の中央部に噴出している火山群の総称です。白山火山帯に属します。古くは高来(たかく)峰とよばれ、また温泉(うんぜん)岳とも書かれました。この火山群は、北側の千々石(ちぢわ)断層と、南側の布津(ふつ)、金浜(かなはま)両断層の間にある雲仙地溝内に噴出した、おもに安山岩からなるトロイデ型溶岩円頂丘の複合体です。1990年(平成2)から95年にかけて雲仙岳の一つ普賢岳が噴火し、火砕流が発生しました。千巌山(せんがんざん)は、1638年キリシタン殉教戦の総大将、天草四郎時貞が信徒の将兵に集め、島原出陣の祝酒を杓子でくみあったことから、手杓子山と呼び親しまれています。

植物:地獄地帯シロドウダン群落(天然記念物)、野岳イヌツゲ群落(天然記念物)、池の原ミヤマキリシマ群落(天然記念物)、亜熱帯植物群落(天草)、普賢岳紅葉樹林(天然記念物)
動物:鳴禽類


阿蘇くじゅう(あそくじゅう) 国立公園

 昭和9年12月4日 指定  面積 72,678ha  熊本、大分
  (昭和61年9月10日 阿蘇くじゅう 国立公園と名称変更)

1965(S40).6.15
P115,P116
中岳の噴火口/城山からの阿蘇五岳

 火山地形、地質、温泉が特徴です。指定当初は、阿蘇複式火山地区と九重(くじゅう)火山群地区のみであったが、53年(昭和28)わが国初の道路公園の造成を前提に、九重火山群地区の北の飯田(はんだ)高原から崩平(くえんびら)山を経て、別府市街地背後の由布(ゆふ)・鶴見(つるみ)火山群までが追加指定されました。公園道路「やまなみハイウェー」は64年(昭和39)に完成し、別府から阿蘇くじゅう国立公園、熊本、島原、雲仙を経て長崎に至る九州横断国際観光ルートを形づくりました。
 阿蘇五岳中岳・高岳・根子岳・杵島岳・烏帽子岳からなります。阿蘇山は熊本・大分両県にまたがり、おもに安山岩からなる二重式の活火山です。中央火口丘と外輪山の総称です。最高峰は高岳(1592m)です。霧島(きりしま)火山帯に属しています。九重山は大分県西部で、阿蘇(あそ)カルデラの北東方にあり、白山火山帯に属する安山岩質の第四紀火山群です。九重連山とも呼びます。温泉も多く、大岳(おおたけ)(出力1.1万kw)、八丁原(はっちょうばる)(5万kw)の両地熱発電所もあります。久住山を中心に三俣山など1500m以上の地域に分布するコケモモの群落、大船山を中心に900m以上の地域に分布し6月の開花期に美観を呈するミヤマキリシマの群落は、ともに国指定天然記念物です。

植物:深葉渓天然林、手野のスギ(天然記念物)、高山植物(九重山塊)
動物:カモシカ(特別天然記念物)


霧島屋久(きりしまやく) 国立公園

 昭和9年3月16日 指定  面積 54,833ha  宮崎、鹿児島
  (昭和39年3月16日 錦江湾(旧錦江湾国定公園)・屋久島地域を編入し、霧島屋久 国立公園と名称変更)

1968(S43).11.20 1962(S37).4.30
P126,P125 P214
屋久島本富岳/高千穂の峰 鹿児島市内からの桜島

 鹿児島・宮崎両県境の霧島火山地域から鹿児島湾(錦江(きんこう)湾)を経て屋久島にまたがる南北約180kmの一帯に含まれる国立公園です。霧島地区は1934年(昭和9)霧島国立公園に指定され、64年(昭和39)鹿児島湾地区と屋久島地区が編入されて現名称となりました。霧島地区は、霧島火山帯の主要部にあたり、火山やカルデラ起源の凹地が連なり、加えて気候的な条件から、変化に富む地形、植生景観がみられます。
 屋久島は面積501km2で鹿児島県佐多岬の南約60〜80kmの洋上(北端が北緯30度30分付近)に位置する、ほぼ円形の島で大隅(おおすみ)諸島の1島です。最高点は宮之浦(みやのうら)岳の1935m、九州の最高地点です。鹿児島県熊毛(くまげ)郡上屋久町、屋久町の2町からなり、東方20kmにある種子島(たねがしま)が細長い低平な地形であるのとは対照的に、本島には1000mを超す山峰が30座以上もあり、急峻(きゅうしゅん)な地形の山岳島です。高千穂峰(たかちほのみね)は標高1574mで宮崎県の南西部、鹿児島県との境にある韓国(からくに)岳に次ぐ霧島(きりしま)山第二の高峰です。典型的なコニーデ(成層)型複合火山で、西部に御鉢(おはち)(鹿児島県)、東部に二(ふた)ツ石(いし)の寄生火山を従えた美しい山容です。東麓(とうろく)には火口湖御池(みいけ)、北西部は中岳、新燃(しんもえ)岳から韓国岳に至る火山が連なっています。桜島(さくらじま)は鹿児島湾北奥部の姶良(あいら)カルデラ(直径20km前後)の南縁部に生じた第四紀の火山島(東西約10km、南北約8kmの長円形)でしたが、1914年(大正3)の溶岩流で九州本島と陸続きになりました。同年1月12日からの大噴火で、東側へ流出した多量の溶岩が、同月29日大隅(おおすみ)半島との間の東桜島水道(幅約400m、深さ約70m)を埋め尽くしました。西方の鹿児島市街(薩摩(さつま)半島)との間には幅約3kmの西桜島水道があります。

植物:暖帯多雨林、狭野の杉並木(天然記念物)、ノカイドウ自生地(天然記念物)、ミヤマキリシマ群落・アカマツ林、屋久スギ原始林(特別天然記念物)・モミツガ原始林・亜熱帯性植物群落
動物:狭野神社ブッポウソウ繁殖地(天然記念物)、ヤイロチョウ


西表(いりおもて) 国立公園

 昭和47年5月15日 指定  面積 12,506ha  沖縄
  (旧琉球政府立公園)

1974(S49).3.15
P141,P142
マリュウドの滝/海中の光景

 沖縄県八重山(やえやま)列島の西表島とその周辺の海域、島々を範囲とする国立公園です。陸域面積125.06km2、海域面積321.0km2です。主要部は西表島の山地部で、この島の約3分の1の地域を占めています。そのほかは、石垣島と西表島の間に広がる堡礁(ほしょう)および石西礁(せきせいしょう)湖とよばれる海域と、そこに点在する小浜(こばま)島、新城(あらぐすく)島、黒島、竹富島などです。
 マリュウドの滝は浦内川(うらうちがわ)の中流部にあり、落差16m、日本の滝100選の一つとなっています。

植物:亜熱帯照葉樹林(スダジイ・オキナワウラジロガシ・タブ)
動物:イリオモテヤマネコ、セマルハコガメ



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公園の説明は小学館刊行「大日本百科全書(ニッポニカ)」より
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Copyright © 2002 Hiroshi Masuda


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