§4 計算(1) 1 vb2005 プログラミング実習 [Menu]
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 2つの数値データの四則演算(+,−,×,÷)を計算して結果を表示するプログラムについて学習する。
 オブジェクト:ラベル(Label)、テキストボックス(TextBox)

計算プログラム@:ラベル
  入力欄の説明用
A:テキストボックス
  データ入力欄
B:ボタン

【1】 プログラム作成の準備

(1) Windowsアプリケーションを作成するためのプロジェクトを作成する。
 プロジェクト名は「計算」とする。

(2) フォーム(Form1)のプロパティを次のように設定する。

Font.Size 12 (ポイント)
Size 320, 240
Text 計算

(3) 上の図を参考にして、必要なオブジェクトを配置し、プロパティを設定する。

@ ラベル
(Name) Label1   (Name) Label2   (Name) Label3
Text 数値1 Text 数値2 Text 答え
AutoSize True AutoSize True AutoSize True

A テキストボックス
(Name) Data1   (Name) Data2   (Name) Kotae
Text 0 Text 0 Text 0

B ボタン
(Name) TasuButton   (Name) HikuButton   (Name) KakeButton
Text 加 算 Text 減 算 Text 乗 算
(Name) WaruButton (Name) ClearButton
Text 除 算 Text クリア

(4) プログラムを保存する。

 [ファイル(F)] → [すべてを保存(L)]

(5) プログラムを実行する。

結果 数値は入力できるが、どのボタンをクリックしても何も起こらない。

 

【2】 クリアの処理とデータの型

(6) [クリア](ClearButton)のクリックイベントに対応するメソッドを次のように作成する。
 [クリア]のクリックで、数値1、数値2、答えの入力欄を0 にする。

    Private Sub ClearButton_Click(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles ClearButton.Click
        Data1.Text = "0"        'Textプロパティは文字列を扱う
        Data2.Text = "0"
        Kotae.Text = "0"
    End Sub
 Textプロパティは文字列(String型)のデータを記憶するプロパティであるので、プログラムでは0をダブルクォーテーション(")ではさんでいる。
 VBは自動的にデータの型の変換をしてくれるので次のように記述してもエラーにはならない。
  Data1.Text = 0   ← 数値の0は文字列の"0"に変換されて代入される。


○ データの型

 データの型とはデータの種類のことである。次に、主なデータの型についてまとめておく。

キーワード 備 考
整数型 Integer -2,147,483,648〜2,147,483,647 (符号付き)
実数型 Double 1.79769313486231570E+308〜-4.94065645841246544E-324(負の値)
4.94065645841246544E-324〜1.79769313486231570E+308(正の値)
文字型 String 0文字〜約20億文字の Unicode 文字
ブール型 Boolean True(真)またはFalse(偽)のどちらかを値として持つ
日付型 Date 0001年1月1日0:00:00 (午前0時)〜9999年12月31日 11:59:59 PM
オブジェクト型 Object オブジェクト(ボタンやラベル)を値として持つ

 

【3】 加算の処理とデータ型の変換

(7) [加算](TasuButton)のクリックイベントに対応するメソッドを次のように作成する。
 数値1と数値2の計算結果を答えの入力欄に表示(出力)する。

    Private Sub TasuButton_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles TasuButton.Click
        Kotae.Text = Data1.Text + Data2.Text
    End Sub

(8) プログラムを実行する。数値1と数値2を入力して、[加算]ボタンをクリックする。

結果 例えば、12.3と45.6と入力して[加算]ボタンをクリックすると「12.345.6」と結果が表示される。

 Textプロパティの値は文字列型(String)なので、"+"の演算子は加算ではなく“文字列の連結”として働くためである。(紛らわしくならないように、文字列の連結には、"&"の演算子を使うようにする。)

 

○ データ型の変換 Val関数とStr関数

 数字の文字列を数値に変換するには「Val関数」を使う。

Val(Data1.Text1) + Val(Data2.Text)

 加算の結果は数値なので、Kotae.Textに結果を代入するには「Str関数」で文字列に変換する必要がある。(VBでは自動的仁変換が行われるのでstr関数を省略してもエラーにはならない。)

Kotae.Text = Str(Val(Data1.Text1) + Val(Data2.Text))

(9) 加算の処理を次のように修正する。

    Private Sub TasuButton_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles TasuButton.Click
        Dim x1 As Double, x2 As Double
        x1 = Val(Data1.Text)
        x2 = Val(Data2.Text)
        Kotae.Text = Str(x1 + x2)    '← Kotae.Text = x1 + x2
    End Sub
 プログラムは3行の計算を
  「Kotae.Text= Str(Val(Data1.Text1) + Val(Data2.Text))」
のように1行にまとめてもよいが、次に、入力されたデータを検査する予定なので変数x1,x2に代入している。変数x1,x2は実数型(Double)で宣言している。

(10) プログラムを実行する。数値1と数値2を入力して、[加算]ボタンをクリックする。

結果 例えば、12.3と45.6と入力して[加算]ボタンをクリックすると「57.9」と結果が表示される。



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