§4 計算(1)1 プログラミング実習
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 2つの数値データの四則演算(+,−,×,÷)を計算して結果を表示するプログラムで、データの型について学習する。

デザイン例 @:ラベル
   入力欄の説明用
A:テキストボックス
   データ入力欄
B:ボタン


【1】 プログラム作成の準備

操作 1 Windowsアプリケーションを作成するためのプロジェクトを作成する。
 プロジェクト名は「実習4計算」とする。

操作 2 フォーム(Form1)のプロパティを次のように設定する。

Font.Size 12 (ポイント) Text 実習4計算
Size 320, 240

操作 3 上の図を参考にして、必要なオブジェクトを配置し、プロパティを設定する。

@ ラベル
 (3個)
(Name) → Label1、 Text → 数値1、 AutoSize → True
(Name) → Label2、 Text → 数値2、 AutoSize → True
(Name) → Label3、 Text → 答え、  AutoSize → True
A テキストボックス
 (3個)
(Name) → Data1、 Text → 0
(Name) → Data2、 Text → 0
(Name) → Kotae、 Text → 0
B ボタン
 (5個)
(Name) → TasuButton、 Text → 加 算
(Name) → HikuButton、 Text → 減 算
(Name) → KakeButton、 Text → 乗 算
(Name) → WaruButton、 Text → 除 算
(Name) → ClearButton、 Text → クリア

操作 4 プログラムを保存する。 ( [ファイル(F)] → [すべてを保存(L)] )

操作 5 プログラムを実行する。

結果 数値は入力できるが、どのボタンをクリックしても何も起こらない。


【2】 クリアの処理とデータの型

操作 6 [クリア](ClearButton)のクリックイベントに対応するメソッドを次のように作成する。
 [クリア]のクリックで、数値1、数値2、答えの入力欄を0 で初期化する。

    Private Sub ClearButton_Click(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles ClearButton.Click
        Data1.Text = "0"
        Data2.Text = "0"
        Kotae.Text = "0"
    End Sub

 Textプロパティは文字列(String型)のデータを記憶するプロパティであるので、プログラムでは0をダブルクォーテーション(")ではさんでいる。
 VBは自動的にデータの型の変換をしてくれるので次のように記述してもエラーにはならない。

Data1.Text = 0    数値の0は文字列の"0"に変換されて代入される。


○ データ型

 データ型とはデータの種類のことである。次に、主なデータの型についてまとめておく。

キーワード 備 考
整数型 Short -32,768〜32,767
Integer -2,147,483,648〜2,147,483,647
Long -9,223,372,036,854,775,808〜9,223,372,036,854,775,807
実数型 Single -3.4028235E+38〜-1.401298E-45 (負の値)
1.401298E-45 〜 3.4028235E+38 (正の値)
Double -1.79769313486231570E+308〜-4.94065645841246544E-324(負の値)
4.94065645841246544E-324〜1.79769313486231570E+308(正の値)
文字型 String 0文字〜約20億文字の Unicode 文字
ブール型 Boolean True(真)またはFalse(偽)のどちらかを値として持つ
日付型 Date 0001年1月1日0:00:00 (午前0時)〜9999年12月31日 11:59:59 PM
オブジェクト型 Object オブジェクト(ボタンやラベル)やデータを値として持つ

 演算速度は、整数型ではInteger型、実数型ではDouble型が最も速い。Integer型とDouble型では、Integer型の方が演算速度は速い。
 メモリの消費量を節約したいときは、Short型やSingle型を使用する。大きな数値が必要な場合はLong型を使用する。


【3】 加算の処理とデータ型の変換

操作 7 [加算](TasuButton)のクリックイベントに対応するメソッドを次のように作成する。
 数値1と数値2の計算結果を答えの入力欄に表示(出力)する。

    Private Sub TasuButton_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles TasuButton.Click
        Kotae.Text = Data1.Text + Data2.Text
    End Sub

操作 8 プログラムを実行する。数値1と数値2を入力して、[加算]ボタンをクリックする。

結果 例えば、12.3と45.6と入力して[加算]ボタンをクリックすると「12.345.6」と結果が表示される。
 Textプロパティの値は文字列型(String)なので、"+"の演算子は加算ではなく“文字列の連結”として働くためである。(紛らわしくならないように、文字列の連結には、"&"の演算子を使うようにする。)


データ型の変換 VB関数と.NET Frameworkクラスライブラリ

型変換 VB関数 .NET Frameworkクラスライブラリ
文字列→数値 x = Val("文字列") x = データ型.Parse("文字列")
数値→文字列 s = Str(数値) s = 数値.ToString()
 データ型は、整数はInteger、実数はDoubleなどのキーワードを指定する。

操作 9 加算の処理を次のように修正する。

    Private Sub TasuButton_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles TasuButton.Click
        Dim x1 As Double, x2 As Double
        x1 = Val(Data1.Text)
        x2 = Val(Data2.Text)
        Kotae.Text = Str(x1 + x2) '← Kotae.Text = x1 + x2
    End Sub

 プログラムは3行の計算を「Kotae.Text= Str(Val(Data1.Text1) + Val(Data2.Text))」のように1行にまとめてもよいが、次に、入力されたデータを検査する予定なので変数x1,x2に代入している。変数x1,x2は実数型(Double)で宣言している。

操作 10 プログラムを実行する。数値1と数値2を入力して、[加算]ボタンをクリックする。

結果 例えば、12.3と45.6と入力して[加算]ボタンをクリックすると「57.9」と結果が表示される。


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 §4 計算(1)1 Copyright©2008 Hiroshi Masuda 

 

 

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