§4 アプリケーション配布用のパッケージ作成 VB6
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 自作のソフトウェアをほかの人に使ってもらうには、渡せる形にする必要がある。

@ ディスクに保存されているプログラムファイル(*.frm, *.vbpなど)を渡す方法
 ただし、この方法では渡した相手の人が同じバージョンのVisualBasicを持っていないと実行できない。
A 実行可能ファイル(*.exe)にしてから渡す方法
 コンパイルという作業をすると *.exe(拡張子がexe)ファイルが作成される。
 ただし、VisualBasicのプログラムは、*.exeだけでは動作しない。*.dllや*.ocxなどのライブラリファイルが必要になる。(渡した相手のコンピュータに必要なライブラリファイルがそろっていれば*.exeだけでも動作する。)

 ここではAの方法で配布するパッケージを作成する。
 実行するために必要なライブラリファイルがどれであるのか判別するのは難しいので、配布パッケージ作成にディストリビューション ウィザードを使用する。
 ディストリビューション ウイザードは、実行に必要なファイルをひとまとめ(CABファイル。複数のファイルを圧縮して一つにしたもの)にして、セットアップ用のプログラム(インストールに便利なプログラム)を作成してくれる。

 ディストリビューション ウイザードは、次のようにして起動する。

[スタート] → [プログラム(P)] → [Microsoft Visual Studio 6.0] → [Microsoft Visual Studio 6.0ツール] → [ディストリビューション ウイザード]


(1) 参照ボタンをクリックすると「開く」のダイアログが表示される。配布したいプログラムを保存した場所を指定し、プログラムファイルのうち、プロジェクトファイル(*.vbp)を選択する。

(2) パッケージボタンをクリックするとウィザードが開始する。



 実行可能ファイル(*.exe)が作成されていなければパッケージが作れないので、コンパイルボタンをクリックする。

 実行可能ファイルがすでに作成されているときはこのメッセージは表示されない。

・プロジェクトと違う場所に実行可能ファイルを保存している場合は、参照ボタンをクリックして、保存場所を指定する。
・実行可能ファイルはVisualBASICでも作成できる。メニューから[ファイル(F)] → [*.exe の作成(K)...]の順に選択する。


 「標準セットアップ パッケージ」を選択して、次へのボタンをクリックする。



 パッケージを保存するフォルダを指定する。

 通常は、プログラムと同じフォルダを指定する。

 次へのボタンをクリックするとフォルダ作成などの確認ダイアログが表示される。



 実行に必要なファイルやインストールに必要なプログラムがリストアップされる。

 実行ファイル以外にデータファイルやドキュメントファイル(説明書)が必要なときは、追加ボタンをクリックしてファイルを追加する。



 Cabファイルのオプションで次のどちらかを選択して次へのボタンをクリックする。

・単一のCabファイル(S)
 1つのCabファイルとして作成される。CD-ROMなど容量の大きいメディアで配布するときなどに選択する。

・複数のCabファイル(M)
 フロッピーディスクなどの小さい容量のメディアに分割して配布するときなどに選択する。このとき、Cabファイルのサイズをメディアに合わせて選択する。



 インストール時のタイトルには、配布するソフトウェアに適したタイトルを入力する。

 特に、決まりはない。



 インストールされたプログラムをスタートメニューに登録するための設定をする。

 VisualBASICでプロジェクト(*.vbp)を保存したときのファイル名がデフォルトで表示される。プロジェクトを保存するときに適当な名前にしておくと良い。

 ここで、変更するときは、プロパティボタン(※3)をクリックする。

※1 複数の実行ファイルがあるときなど、別のグループを作くる必要があるときに新しいグループを作ることができる。

※2 複数の実行ファイルがあるときなど、別の項目が必要なときにクリックする。

※3 グループや項目の名前などを変更するときにクリックする。

※4 グループや項目を削除するときにクリックする。


 インストールするときプログラムのセットアップ(保存)先を指定することができる。

 通常は、標準の設定のままで良い。



 ここまで、設定してきたインストールに必要なデータを保存しておくことができる。

 プロジェクト名、プロジェクト名+バージョンなど適当な名前を付ける。
 このままでも問題はない。

 完了ボタンをクリックするとパッケージが作成される。

 作成されたパッケージは、保存場所に指定したフォルダにPackageという名前のフォルダが作られ、その中に保存される。

 さらに、Packageフォルダ内にSupportフォルダが作成され、この中にはCabファイルに含まれるすべてのファイルが元の状態のままで保存されている。
 容量が大きくなるので、Supportフォルダは削除しても良い。

 Pacageフォルダ内にインストールに必要なファイルが作成される。この例(単一のCabファイル)の場合では次の3つのファイルが作成される。
    Project1.CAB
    setup.exe
    Setup.lst
 これらを1つのメディアにコピーして配布する。

 複数のCabファイルで作成したときは、必要なファイルの容量によって*.cabファイルが複数作成される。1枚目のフロッピーディスクに "Project01.CAB", "setup.exe", "Setup.lst" をコピーし、2枚目以降には "Project02.CAB" から番号順にコピーする。

 インターネットなどで配布する場合はファイルの容量にもよるが、一度でダウンロードできるように"Project1.CAB", "setup.exe", "Setup.lst"をアーカイバツールなどを利用してひとつのファイルにまとめる。


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