知的財産権 |
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知的財産権(知的所有権)とは、人間の知的な創作活動などから生産されたものに対する権利の総称として使われている。この権利は、工業所有権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)や著作権法などの法律で保護されている。
・工業所有権 特許権 … 自然法則を利用した、新規性のある、産業上有用な発明 を保護する。 実用新案権 … 物品の形状、構造、組み合わせに関する考案 を保護する。 意匠権 … 独創的で美的な外観を有する物品の形状、模様、色彩のデザイン を保護する。 商標権 … 商品、役務に使用するマーク を保護する。・著作権 … 独創性のある文芸、美術、音楽、ソフトウェアなどの作品 を保護する。
1-1 特許権
(1) 特許法上での発明
特許法で保護される発明とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と定められている(特許法第2条第1項)。すなわち、自然界において経験的に見つけられた科学的な法則を利用し、技術的な特徴を持つものを新しく創り出したものであり、従来にない新しい機能を持っているものということになる。自然法則を利用していても発見は該当しない。
(2) 特許の要件
特許を受けることができる発明は、次の条件を満たしている必要がある(特許法第29条第1項)。
(3) 特許情報の調査
特許を出願するためには、その発明が新しいものでなければならない。したがって、特許を出願する前に特許情報を十分に調査する必要がある。
特許情報は、特許公報をはじめとし、抄録や抜粋、目次や索引などがある。これらの情報は、印刷物、CD-ROMやデータベースとして提供されている。一般的には、特許庁のホームページにアクセスするのが手軽である。
また、特許の出願以外にも、利用しようとしている技術がすでに特許を受けている場合、損害賠償事件などに発展することになる。これを避けるためにも調査が必要になる。
(4) 特許出願の資格
出願は、個人以外に法律上の人である法人にも認められている。
法人以外の団体の場合は、代表者または管理人の名で出願することができる(特許法第6条)。
複数の個人で発明し、権利が共有のもであるときは、共有者全員の名で出願をする(特許法第38条)。
未成年者が出願するときは、法定代理人(通常、保護者)が出願する。ただし、結婚した場合、営業を許可されている場合は自分で出願できる(特許法第7条)。
(5) 従業員の発明
会社に勤める従業員が、会社の仕事として行った発明を職務発明という。この場合、発明者である従業員に特許を受ける権利があるが、会社にもその発明の完成のために設備や研究費を従業員に提供しているので、その発明に対して実施や 予約承継について補償的権利を認めている(特許法第35条)。
したがって、従業員が特許を他に譲っても、会社は実施料を払うことなく実施できる権利があり、これを通常実施権という。また、会社が事前に従業員から特許を受ける権利を譲り受ける契約を定めることも許される。これを予約承継という(特許法第35条第1項)。
職務発明について、会社に特許を受ける権利や特許権を承継させたときなどには、従業員は、その発明に対する相当の対価の支払いを受ける権利がある(特許法第35条第3項)。
従業員が会社の業務と関係のない発明をした場合は、一般の発明と同じ扱いになる。これは自由発明と呼ばれる。
(6) 存続期間
特許権の存続期間は、特許出願の日から20年間である(特許法第67条)。
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知的財産権 | Copyright © 2006 Hiroshi Masuda |