§0 プログラミングを始める前に VB6
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変数は宣言する

 BASICは、変数を宣言しなくても使用することができる。Visual BASICも同じように宣言しなくても変数が使用できる。しかし、課題研究では、変数を「宣言」して使用することにする。
 宣言することによって次のような効果がある。

@ 変数を宣言した方が、より高速に動作する。
A プログラムの保守性・可読性(修正やバージョンアップするときのリストの読みやすさ)が向上する。

 次の例で、宣言した方が速くなることを確認してみる。

 新規フォームを用意し、にコマンドボタン1個配置する。処理は、変数daに1から10000までの2倍を記憶させる処理を1000回繰り返す。

Private Sub Command1_Click()
    a = Timer               '開始時間取得
    Print a                 '時間表示
    For m = 1 To 1000
        For n = 1 To 10000
            da = n * 2
        Next n
    Next m
    b = Timer               '終了時間取得
    Print b, b - a          '時間と経過時間表示
End Sub

 Print TimerのTimerは午前0時からの経過した秒数を返却する命令である。

[実行結果]
図0-3-1

 実行環境(状態)によっても所要時間は変化するので、10回程度実行してその平均をとってみるとよい。

 図0-3-1はPentiumV733MHzでの実行例である。8回ボタン(Command1)をクリックしたところである。約2.5秒 である。
 Celeron 400MHzノートPCで約4.6秒であった。



変数宣言を追加する
 次に、変数の宣言を追加して実行してみる。このプログラムで使用している変数はa, b, m, n, daの5つである。宣言にはDim命令を使う。

Private Sub Command1_Click()
    Dim a, b
    Dim m, n, da
    a = Timer               '開始時間取得
[実行結果]
図0-3-2

 変数を宣言したにもかかわらず、スピードアップにはなっていない(図0-3-2)。実行してもエラーは出ない。
 これは、変数を宣言するときに型(タイプ)の指定をしていないからである。変数の型についてはこのページの後半でする。

 Visual BASICのヘルプで示されている使用例(サンプルプログラム)では、このように変数の型を省略した形で書かれているものが多い。
 変数を宣言するときは変数の型も指定しなければスピードアップにならない。



変数宣言で型を指定する
 変数の型は変数名の後に 「As 型名」の形で指定する。先のプログラムを次のように変更する(図0-3-3)。
[実行結果]
図0-3-3 図0-3-4
 変数aとbは時間を記憶するためSingle型(実数)、m, nとdaはInteger型(整数)として宣言している。

 実行結果は図0-3-4のように 約1.5秒 である。 Celeron 400MHzノートPCで約2.7秒であった。

 このように、変数は宣言したほうが処理時間が早くなることが確認できたと思う。


変数の型

 コンピュータで扱える基本的なデータに数値と文字列などのように種類があるように、変数にも記憶するデータの種類によっていろいろな型(タイプ)があり、これを変数の型という。主なものを次に示しておく。

整数値型 実数値型 論理値型 文字列型
Integer
Long
Single
Double
Boolean String

 整数値型と実数値型をあわせて数値型ということもある。また、整数値型はInteger以外にもいろいろとある。実数値型も同じである。詳しくはヘルプを調べてみよう。

 例えば、変数dataを整数値型で宣言するには次のようにする。

Dim data As Integer

 変数名の後に「As 型名」の形で変数の型を指定する。


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Copyright © 2001,2002 Hiroshi Masuda 

 

 

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